2015年02月11日

アカデミア、春夏秋冬。

『長』としての責務?

『長』としての責務?どーも、空いつかです。
気がつけば2015年の初投稿(汗)。何だか日々の些末事に追われており、ココロに余裕のない日々です…ともかく今年もよろしくお願いいたします(もう2月だけど)。

ということで、今回はトップのお仕事について考えてみました。
今回の4コマ、悲しいことに実話です。知り合いが働いている某研究所で本当にあった話みたいです。その知り合いは愚痴を言うことは(ソライツと違い)ほとんどない穏やかな方なのですが、そのような人をして愚痴を語らせるという…本当に悲しい出来事です。ある実験を行うために器材を別の場所から移設して使う必要があり、その実験に向けて安全対策やら何やらを関係各所ときちんと相談・調整をしてようやく実行に移せるというそんな矢先、今回のようなことがあったようです。

公的機関で何かあればすぐに叩かれるこのご時世、「万が一でも」何かあれば困る、というのは(心情としては)分かります。ただ、物事に絶対はありませんし、特に高圧や真空、低温など極限環境での実験は多少の危険が伴います。しかし、その影響を最小限にするためにしっかりと安全対策等を行い計画を立てるわけです。それでも、ちょっとしたことが起こった時に頭を下げる、何とかする、のがトップの最大の仕事だとソライツは思っていたのですが、そこではどうやら違っていたようです。

普段、成果を出せと圧力をかけ、現場の意見を最後にちゃぶ台返し、言いたい放題言うことしかしないのかと、非常に残念な気持ちになりました。その結果、現場の士気が下がるだけならともかく、共同研究者や利用者がいる場合はもっと深刻です。行き着く先は『あの研究所と組んでも実験を進められない、設備はあるのにまともに使えない』という評価。じゃあ何のためにあるの?(とある施設が使いにくい(性能が低いとかではなく)から少々遠くても海外の施設を使う、という事例は実際にあります)

職員の数は絞るだけ絞り、優秀な人間ですら使い捨てる任期制。そんなことをしているのにトップにはこんな…。久しぶりに心から残念に思った出来事でした。

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posted by 空いつか at 23:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | アカデミア、春夏秋冬。

2014年11月24日

アカデミア、春夏秋冬。

視察は現実を見て

視察は現実を見てどーも、空いつかです。
年の瀬も近づき、公的機関に所属している身としてはそろそろ年度末シフトな今日この頃ですが、みなさんお元気でしょうか。

年度末と言えば、組織によってはそろそろ関連省庁からの「視察」が増えてくるところもあると思います。他の所はどうだかわかりませんが、ソライツが渡って来たような実験施設では、それなりの「見どころ」があるためか、そういった見学の方をよく見かけます。大型実験施設はちょっと日常から離れた雰囲気なので見応えもあるのでしょう。

視察を受け入れる側は、おそらく施設の中で最新のものであったり、いかにも立派な研究をしてます!的な場所に案内するのだと思いますが、ちょっと待って下さい。現場の人間からするとちょっとぐらいは「現実」を見ていただきたいな、と思うことがあります。「あんまりごちゃごちゃしたところは見せたくない」、「見苦しいところは見せたくない」という気持ちはわかるのですが、予算等に権限がある監督庁などにあえて、現実を見ていただいてもいいのではないでしょうか。

「こんなにひどいので予算下さい!」というわけではありませんが、やはり現実というものも少しは見て貰った方がいいのでは無いかと思います。かつて、環境変化にデリケートな試料を扱う研究室なのに、夏の日中は30℃を切ることが無く、冬はちょっと遅くまで仕事をしていたら寒過ぎて指が動かないというような(プレハブ)環境にいたことがある身としては、そういう所もあるということを見て欲しいなと思ったり。

まあそんなところをわざわざ視察してもつまらないでしょうが(汗)、そういう点も含めて知って欲しいなと思うわけです。これは偉い人の視察に対してだけではなく、研究を志す若い人にも「色々な環境があるんだよ」という現実を知って貰ってもいいのかもと思ったり(涙)。今のソライツは、転籍と共に移動したので、夏は氷嚢なしで仕事ができて、冬に熱いお茶ばかり飲んでトイレが近くなったりしない環境になりました。まともな建物ってすばらしいですね!

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posted by 空いつか at 23:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | アカデミア、春夏秋冬。

2014年11月05日

アカデミア、春夏秋冬。

しあわせみつけた(3)〜催促ハッピーバースディ

催促ハッピーバースディどーも、空いつかです。
前回の更新からすっかり日が経ってしまいました。関わっていた国際会議の後処理やら参加する学会の準備などに追われているうちに、あっという間に日が経っていまいます…歳かなぁ?

ということで、今回は調子がよくても悪くても、必ず巡ってくる「誕生日」についてです。
科研費若手研究への応募資格がなくなるような(!)年齢になってくると、いまさら誕生日であーだこーだ言う若さもないものですが(汗)、誕生日という日はちょっとぐらい騒いだところで誰にも迷惑がかからない(たぶん)イベントのような気がします(むしろ、「もう『誕生日』でもないしね…」という態度をわざわざ取る方が周りに気を遣わせてしまうのかもしれません)。

この歳になると自分自身、特にイベントらしいイベントもないので、「今日は私の誕生日だよ」アピールをしてみました(汗)。ソライツがいる職場はお茶会などの日常的なちょっとした息抜きがよく開催される、というのが背景にあるのですが、アピールしてたらなんとお誕生ケーキ(チョコレート)、を用意してもらえました!(やったね!)

ご丁寧に、「お誕生日おめでとう」の名前入りチョコプレートと吹き消すためのローソク付きで。自分の名前入りのチョコプレートもケーキ用ローソクもいったいいつ以来だ?というぐらい久しぶりでした。そりゃ、わざわざケーキを買ってきてくれるぐらいなので、名入れも付いてくるものだとは思いますが、本当にうれしいものなのですね。ついでにローソク(さすがに数は適当)をふーっと吹き消したりして。それこそ数十年振りかもしれません。

ソライツはお祝いするのが好きで、名前入りプレート付きのケーキやローソクを用意したり、誕生日に合わせていつもより少しだけ手をかけたお菓子を作ったりしてきたのですが、そうすることで少しでもその人たちもうれしく感じてくれてたのかもと思ったりして。人を幸せにするということはちょっとした行動でできることなのかもしれませんね。

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posted by 空いつか at 22:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | アカデミア、春夏秋冬。

2014年09月06日

アカデミア、春夏秋冬。

しあわせみつけた(2)〜健全に、ドライ、その弊害

でも、これはちょっと…ど〜も、空いつかです。某国際会議の準備に忙殺されているうちに、ふと気がつけば夏の盛りは過ぎてしまいました。昼はまだ暑いですが、陽が落ちると秋の気配が感じられるようになりました。会議の準備はまだまだ暑いのですが(汗)、せめて気候はこのまま涼しくなって欲しいものです。

ということで、「ドライな感じ」の続きで、その弊害についてです。
研究開発系、特にアカデミックの仕事において、お互い、仕事のペースに干渉することはあまり無いように思います(ソライツの周りではそうでした)。それは気楽でいいのですが、油断するとすぐ今回の4コマのようなことが起こります。休んだり出張したりする場合は原則として上長に申請しているはずですが、人によっては周りに知らせてなかったりして「そういや今日はあの人見てないね」と言うことになります。たいていの場合は仲のいい人であったり昼ご飯を一緒に食べているグループの中で誰かが聞いてたりするのですが、いつもそういうわけでもないので「行方不明」ということはままあるようです。

施設系の職場の場合、現場(実験装置など)で長時間の作業をしていることがあり、居室にいなくても誰も別段気にしません。そういうときのためにPHSが配布されているのですが、持って行くのを忘れてたりして…ソライツもPHSを貸与されているのですが、デスクに置きっぱなしでうろうろしていることが多いので、これはちょっと反省ですね…

まあ、お互いのスケジュールを常に把握するなんてことは、無理な話(?)なので、あらかじめ時間などを約束しておくか頑張って探して捕まえるしかないって事なんでしょうか。…なんか違う気もしますが(汗)。最近では、スマホなどでも職場のメールが確認できることも多いので、結局はメールが一番連絡を取りやすいのかもしれません。

と、いろいろ言い訳らしき事を書きましたが、そんなことで仕事を止めたりしないためにも、行き先は明らかにしておきたいですね!…ってなんか「しあわせみつけた」の趣旨からずれてしまいましたね…

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posted by 空いつか at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | アカデミア、春夏秋冬。

2014年08月26日

アカデミア、春夏秋冬。

アカデミックの歩き方(11)〜助教のその先へ

ネクスト・トゥ・助教どーも、空いつかです。
そろそろ雨が降った夜は秋の気配。暑い暑いと言っていた夏ももう終わりでしょうか。去る夏は少しだけ名残惜しかったりして。

ということで、久しぶりの歩き方です。特別編など挟みましたが今回は第11回です。
基本的に若手ポストということで、助教を取り上げましたが、今回はその先、助教からのステップアップです。助教には、原則として任期が付いており、よくあるのが任期が5年で1回再任可というもの(つまり任期が最高10年)で、ポスドクに比べれば遥かに長い期間となりますが、いつかは任期切れがやって来るため、実績を積み次に移らなければなりません。その点ではポスドクと何ら変わることはありません。助教から次に移るとなると、王道は当然、准教授。なじみが薄いかも知れませんが准教授にも任期が付いており、任期が5年で2回再任可ということが多いようで、任期が最大15年になります。もちろん、任期がない(定年制の)准教授ポストも存在します(少ないようですが)。

大学の場合でソライツが「厳しいなぁ」と感じるのはここです。狭き門をくぐり抜け助教になったとしても息つく間もなく准教授ポストの獲得を目指さなければなりません。准教授になるのは大体35歳あたりからとされていますから、27歳で学位を取得して、ポスドクを1回経験して30歳で助教になり、大体最初の任期(5年)が切れる頃に准教授になるのがストレートなキャリアパスとなると思いますが、そんなストレートに行く人がどのぐらいいるのやら。もちろん助教で10年は任期があるわけですから、ストレートに行かなくてもいいのですが、ずっと助教のままだと周りからは「なんだかなぁ」という評価を受けてしまうという…(しかも任期が切れると職を失いますからね)

当然のことながら准教授になるためにも激しい競争があるわけで、その競争をくぐり抜けてもまた任期付き…本当に厳しい世界だと思います。確かに競争は大事だと思いますが、最近の厳しさは、もはや青天井、容赦なしです。旧帝大で助教に就いているような優秀な研究者と話していても、「次は任期がないポストがいい」という声は実際に聞きますし、独法にいる(大学指向の)研究者からも「大学教員って、目指すべき職なのか。最近の大学現場を見てるとわからなくなる」という話もします。大学で落ち着いて研究をするというのは過去の話なのでしょうか。もちろん研究者ですから、同じ場所でずっと…ということはほぼあり得ませんが、やはり(10年以上とはいえ)任期が付いている、というのは落ち着かないものなのでしょう。

真に優秀な研究者はそれでもくぐり抜けるのだと思いますが、真に優秀な研究者だけでは世界は動きませんよね…。助教→准教授の境目に当たる年齢になり、考えてしまいます(何度も書いてますが、ソライツの職は大学とは全く関係ありません)。

そんなわけで任期付きはいつまでもセツジツなのでした。
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posted by 空いつか at 23:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | アカデミア、春夏秋冬。