どーも、空いつかです。
天気がいいと昼は暑い、でも夜は寒い…いい加減どちらかにして欲しいものです。な、季節の変わり目ですがいかがお過ごしですか?
さて、しばらくすっかり忘れていた任期付き職の紹介ですが、今回は「特任助教」について。
特任助教は助教と名前が似ている上に「特任」まで付いて何やら強そうな感じがします。…が、実際は助教とポスドクの中間のようなポジションであり、どちらかと言えばポスドクの上位クラスといった感じです。
最近激増していると(ソライツが)感じる特任助教ですが、このポジションもポスドクと同じくプロジェクト予算などで確保される枠であるようです。プロジェクト予算が財源になっている場合、当然そのプロジェクトの終了と共にポストはなくなります。助教は再任可のことが多く、任期が比較的長い(実質10年程度)のに対して、特任助教は3-5年と、ポスドクとほとんど変わりません。また、通常は再任もないようです。
ソライツがよく会う友人の中に特任助教がいないので、知っている状況としてはこのぐらいしかないのですが、ちょっと調べてたら詳しく解説している方がいらっしゃいました。
これによると、退職規定などに影響があるというようなことも書かれてますね。なかなか難しい制度です。
中途半端な感じですがこんなところで(汗)。
2013年04月19日
2013年04月17日
任期付き、はじめてみる?(入門編)
アカデミックの歩き方(8)〜論文博士について(その2)
どーも、空いつかです。
北の山のほうをドライブしてたら、きれいに咲いた桜と鯉のぼりを見ることができました。北の方は時期的にそうなるんですね。いい感じでした(^^)。
さて、今回も前回に引き続き論文博士についてです。
いきなりですが「論文博士は廃止の方向」に関しての中教審の資料にたどり着いたので示します。廃止の方向とは聞いていましたが、ちゃんと資料があったんですね。というわけで、今後も論文博士の授与が減る傾向は変わらないのでしょう…で本題に入ります(今回はちょっと長めです)。
「論文博士って(レベル的に)どうなの?」と言われたり、上記のように廃止の方向でもある制度ですが、論文博士取得の実際を書いてみようと思います。ソライツはその論文博士で学位を取得しています(しかもつい最近)。某国立大の工学研究科(専攻はヒミツ)で、出身研究室の教授(ソライツが学生時代には助手で指導教官でした)に世話していただきました。以降、あくまでソライツの専攻に限ってという前提でお読み下さい。
論文博士はオトナな話もあるようなので、基準は明文化されていませんでしたが、通例として原則筆頭著者の英文論文6報で学位論文を作成する、というものでした。ただし、実績がその6報しかないというのでは多分ダメなのだと思います(この辺りの基準はよくわからない)。
ソライツの分野の若手では1〜2年間で筆頭1報+その他1報ぐらい出せれば悪くないかなという感じなので、10年近く研究をやっていればそれなりに論文数はたまってましたが、任期付きでふらふらしていると、「ストーリーとしてまとめることが難しい」という落とし穴がありました。
分野が一緒でも、テーマがあまりに違うと一つの学位論文に落とし込むのが難しくなってしまいます。ソライツの場合は若干のこじつけをしたものの、何とか筋が通ったストーリーに何とかまとめました(使った論文は筆頭5報+セカンド1報)。その他は実績としてリストを提出しました(数は恥ずかしいからヒミツ)。そのあいまいな基準を満たすことから論文博士の学位取得が始まります。
ソライツの専攻では「公聴会を開く許可(教授会)→予備審査(主査+副査)→公聴会→論文提出」という流れでした。こうすればよい、という指針があるわけではなく、「いかにして教授陣を納得させることができるか」だと思います。これは[主査である教授の力]+[本人の実績とその構成]で決まるので、オトナな話、主査である教授の力が絶大であればごり押しで通ることもあるようです(まあそれは仕方がないのでしょうね…)。
とまあ、そのような流れで論文博士にたどり着きました。当然ですが、正直、大変でした(汗)。ソライツの場合は学位論文作成が一番大変でしたが、もう一つの山である公聴会はこれまでの実戦経験もあり、フレッシュな課程博士よりはふてぶてしくディフェンスできたと思います(^^;。ちなみに、(当たり前と言えば当たり前ですが)学位記の文面は課程博士とは異なっているんですよ(^^)。
論文博士の制度がいつまで継続されるかわかりませんが、考えている方はまずは指導教官に相談です!
北の山のほうをドライブしてたら、きれいに咲いた桜と鯉のぼりを見ることができました。北の方は時期的にそうなるんですね。いい感じでした(^^)。
さて、今回も前回に引き続き論文博士についてです。
いきなりですが「論文博士は廃止の方向」に関しての中教審の資料にたどり着いたので示します。廃止の方向とは聞いていましたが、ちゃんと資料があったんですね。というわけで、今後も論文博士の授与が減る傾向は変わらないのでしょう…で本題に入ります(今回はちょっと長めです)。
「論文博士って(レベル的に)どうなの?」と言われたり、上記のように廃止の方向でもある制度ですが、論文博士取得の実際を書いてみようと思います。ソライツはその論文博士で学位を取得しています(しかもつい最近)。某国立大の工学研究科(専攻はヒミツ)で、出身研究室の教授(ソライツが学生時代には助手で指導教官でした)に世話していただきました。以降、あくまでソライツの専攻に限ってという前提でお読み下さい。
論文博士はオトナな話もあるようなので、基準は明文化されていませんでしたが、通例として原則筆頭著者の英文論文6報で学位論文を作成する、というものでした。ただし、実績がその6報しかないというのでは多分ダメなのだと思います(この辺りの基準はよくわからない)。
ソライツの分野の若手では1〜2年間で筆頭1報+その他1報ぐらい出せれば悪くないかなという感じなので、10年近く研究をやっていればそれなりに論文数はたまってましたが、任期付きでふらふらしていると、「ストーリーとしてまとめることが難しい」という落とし穴がありました。
分野が一緒でも、テーマがあまりに違うと一つの学位論文に落とし込むのが難しくなってしまいます。ソライツの場合は若干のこじつけをしたものの、何とか筋が通ったストーリーに何とかまとめました(使った論文は筆頭5報+セカンド1報)。その他は実績としてリストを提出しました(数は恥ずかしいからヒミツ)。そのあいまいな基準を満たすことから論文博士の学位取得が始まります。
ソライツの専攻では「公聴会を開く許可(教授会)→予備審査(主査+副査)→公聴会→論文提出」という流れでした。こうすればよい、という指針があるわけではなく、「いかにして教授陣を納得させることができるか」だと思います。これは[主査である教授の力]+[本人の実績とその構成]で決まるので、オトナな話、主査である教授の力が絶大であればごり押しで通ることもあるようです(まあそれは仕方がないのでしょうね…)。
とまあ、そのような流れで論文博士にたどり着きました。当然ですが、正直、大変でした(汗)。ソライツの場合は学位論文作成が一番大変でしたが、もう一つの山である公聴会はこれまでの実戦経験もあり、フレッシュな課程博士よりはふてぶてしくディフェンスできたと思います(^^;。ちなみに、(当たり前と言えば当たり前ですが)学位記の文面は課程博士とは異なっているんですよ(^^)。
論文博士の制度がいつまで継続されるかわかりませんが、考えている方はまずは指導教官に相談です!
2013年04月16日
任期付き、はじめてみる?(入門編)
アカデミックの歩き方(7)〜論文博士について(その1)
どーも、空いつかです。
今日は、一人、映画を観たあと、前の職場の同僚とランチをしました。一日中というわけではなかったのですが、クルマでの移動が長かったためか肉体的に疲れが…年ですかね(ToT)。
さて、今回はあまり情報が出てこない「論文博士」について書いてみようと思います。
論文博士は、基本的には論文を提出し審査されることで博士の学位を取得する制度で、審査基準などは大学や専攻などで全く異なっています。通常は自分の出身または関係の深い研究室の教授に面倒を見てもらい取得することが多いようです。
最近は論文博士による学位取得者数は大幅に減少しているようで、少し前に新聞で読んだ記憶では10年前の半分ほどになっているようです。実際、論文博士を出さないという専攻が増えてきているようですし、研究科(学部)として論文博士の制度が事実上なくなったところもあると聞きます。
参考までに東京大と京都大の学位取得者数のリンクを示します。京都大は平成6年からの推移になっているので非常にわかりやすいです。
京都大の推移を見て明らかなように、課程博士の数が増加しているのに対して論文博士の数は減っています。
ソライツは大学関係者ではないので勝手な推測ですが、社会人ドクターの制度が整備されてきたことにより、基本的には社会人ドクターで取得させる、という方針になってきているのかもしれません。論文博士は審査料を納めますが、大学経営の観点からすると、課程博士の学費に比べてずっと少ない収入で学位を授与することになる、というのもそのように変わっていく原因なのかもしれません(社会人ドクターなら入学金+学費となる)。
次回は、論文博士取得の実際についてまとめてみたいと思います。
今日は、一人、映画を観たあと、前の職場の同僚とランチをしました。一日中というわけではなかったのですが、クルマでの移動が長かったためか肉体的に疲れが…年ですかね(ToT)。
さて、今回はあまり情報が出てこない「論文博士」について書いてみようと思います。
論文博士は、基本的には論文を提出し審査されることで博士の学位を取得する制度で、審査基準などは大学や専攻などで全く異なっています。通常は自分の出身または関係の深い研究室の教授に面倒を見てもらい取得することが多いようです。
最近は論文博士による学位取得者数は大幅に減少しているようで、少し前に新聞で読んだ記憶では10年前の半分ほどになっているようです。実際、論文博士を出さないという専攻が増えてきているようですし、研究科(学部)として論文博士の制度が事実上なくなったところもあると聞きます。
参考までに東京大と京都大の学位取得者数のリンクを示します。京都大は平成6年からの推移になっているので非常にわかりやすいです。
京都大の推移を見て明らかなように、課程博士の数が増加しているのに対して論文博士の数は減っています。
ソライツは大学関係者ではないので勝手な推測ですが、社会人ドクターの制度が整備されてきたことにより、基本的には社会人ドクターで取得させる、という方針になってきているのかもしれません。論文博士は審査料を納めますが、大学経営の観点からすると、課程博士の学費に比べてずっと少ない収入で学位を授与することになる、というのもそのように変わっていく原因なのかもしれません(社会人ドクターなら入学金+学費となる)。
次回は、論文博士取得の実際についてまとめてみたいと思います。
2013年04月12日
任期付き、はじめてみる?(入門編)
アカデミックの歩き方(6)〜任期付きで自由に歩く
どーも、空いつかです。
いつまでも寒い日が続きます。寒いとなかなか身体が動きません…
さて、アカデミックの歩き方、6回目。今回は組織を渡り歩く自由な任期付きについてです。
任期付きは任期のたびに次職を探す必要がありますが、基本的には3〜5年ごとに任期が切れるため、実際の所、まともにゆっくりできる期間などほとんどありません。状況によっては名目上の所属のみが変わり、仕事する場所や内容が変わらないこともままあるようですが、この4月から発効した改定労働契約法の運用によっては、今後は状況が大きく変わる可能性があるので注意したいですね(この辺りはネット上で議論がされてますのでそれらを参照して下さい)。
ソライツの場合はこれまで任期が切れるたびに別組織に移ってきたので、所属組織への帰属意識は低く、結構自由にやれてきたのかなと思います。この自由な任期付きは何の保証もない反面、基本的には気ままに仕事ができるというメリット(?)があり、ソライツの場合は幸運にも仕事に関してのストレスはほとんどありませんでした(^^)。任期付きは基本的に雑務が少ないということもあります(当然ですが)。
任期が切れ、職場を渡り歩きながら次の職を探すわけですが、あまりテーマなどがバラバラな実績になってしまうと、採用試験などにおいて実績のアピールが不利になってしまいます。結局の所、これが任期付き最大のネックであり、難しいところと言えるかもしれません。
逆に、ある程度テーマや分野などを関連づけることのできる実績や経験を積み重ねていくと、任期付き市場ではかなり有利だと言えます。任期付きが長くなると、定年制職に就けるかどうかは巡り合わせによるので何とも言えませんが、自分独自の立ち位置を確保できれば任期付きライフもだいぶ楽に進めることができるでしょう。
任期付きを続けていく上で、一番重要になるのは「精神力」でしょう。どこに行っても先は見えないご時世ですが、常に失業が見えているという点でスリリングな度合いは次元が違います(汗)。
アカデミックを目指す方はこういう状況も楽しめるぐらいの精神力が欲しいところですね。
いつまでも寒い日が続きます。寒いとなかなか身体が動きません…
さて、アカデミックの歩き方、6回目。今回は組織を渡り歩く自由な任期付きについてです。
任期付きは任期のたびに次職を探す必要がありますが、基本的には3〜5年ごとに任期が切れるため、実際の所、まともにゆっくりできる期間などほとんどありません。状況によっては名目上の所属のみが変わり、仕事する場所や内容が変わらないこともままあるようですが、この4月から発効した改定労働契約法の運用によっては、今後は状況が大きく変わる可能性があるので注意したいですね(この辺りはネット上で議論がされてますのでそれらを参照して下さい)。
ソライツの場合はこれまで任期が切れるたびに別組織に移ってきたので、所属組織への帰属意識は低く、結構自由にやれてきたのかなと思います。この自由な任期付きは何の保証もない反面、基本的には気ままに仕事ができるというメリット(?)があり、ソライツの場合は幸運にも仕事に関してのストレスはほとんどありませんでした(^^)。任期付きは基本的に雑務が少ないということもあります(当然ですが)。
任期が切れ、職場を渡り歩きながら次の職を探すわけですが、あまりテーマなどがバラバラな実績になってしまうと、採用試験などにおいて実績のアピールが不利になってしまいます。結局の所、これが任期付き最大のネックであり、難しいところと言えるかもしれません。
逆に、ある程度テーマや分野などを関連づけることのできる実績や経験を積み重ねていくと、任期付き市場ではかなり有利だと言えます。任期付きが長くなると、定年制職に就けるかどうかは巡り合わせによるので何とも言えませんが、自分独自の立ち位置を確保できれば任期付きライフもだいぶ楽に進めることができるでしょう。
任期付きを続けていく上で、一番重要になるのは「精神力」でしょう。どこに行っても先は見えないご時世ですが、常に失業が見えているという点でスリリングな度合いは次元が違います(汗)。
アカデミックを目指す方はこういう状況も楽しめるぐらいの精神力が欲しいところですね。
2013年04月11日
任期付き、はじめてみる?(入門編)
アカデミックの歩き方(5)〜公的機関はどう?
どーも、空いつかです。
もう4月も中旬だというのに冷え込む日がたまにやってきますね。これが三寒四温ってやつなんでしょうか。
さて、今回はアカデミックの歩き方5回目、公的研究機関の職員について考えてみます。
公的研究機関は理化学研究所(理研)のような総合的な研究所もありますが、ある特定の領域に関しての研究を遂行することを主な目的にしています。形態は独立行政法人が多いようですが、大学共同利用機関法人や一般/公益財団法人などがあるようです。
存在の経緯により、公募の際も特定の専門性や経験が求められることが多く、自分の得意分野や興味(および実績)と一致すれば、職員として採用される可能性はかなり高くなるように思います。
採用枠数が大学と比べて多く、割と頻繁に公募が出るため、現実的な選択肢かもしれません。なお、機関によって雰囲気などは千差万別で、人気の度合いは異なりますが、辺境にあって、ちょっとニッチな分野となると定年制職員でも競争倍率はせいぜい数倍、ポスドクともなると競合者がいない事もあります。
ただし、組織によっては職員になるために「その組織内でポスドクなどで十分な業績を挙げていること」というようなテニュアトラックのような制度になっていることもあり、注意が必要です。明文化されていなくても慣習的に機関のポスドク→職員という流れが一般的なこともあるので、デキの場合もあるようです(想像ですが)。
最後に待遇ですが、大学に比べて高い傾向にあります。定年制は公務員に準じているようですが、任期付きの場合はポストによっては驚きの高年収になることもあります(あくまで任期付き一般水準で)。また、ポスドクでも正規職員並みの福利厚生が付くことが多く、生活の面では多少余裕があるかもしれませんね。
もう4月も中旬だというのに冷え込む日がたまにやってきますね。これが三寒四温ってやつなんでしょうか。
さて、今回はアカデミックの歩き方5回目、公的研究機関の職員について考えてみます。
公的研究機関は理化学研究所(理研)のような総合的な研究所もありますが、ある特定の領域に関しての研究を遂行することを主な目的にしています。形態は独立行政法人が多いようですが、大学共同利用機関法人や一般/公益財団法人などがあるようです。
存在の経緯により、公募の際も特定の専門性や経験が求められることが多く、自分の得意分野や興味(および実績)と一致すれば、職員として採用される可能性はかなり高くなるように思います。
採用枠数が大学と比べて多く、割と頻繁に公募が出るため、現実的な選択肢かもしれません。なお、機関によって雰囲気などは千差万別で、人気の度合いは異なりますが、辺境にあって、ちょっとニッチな分野となると定年制職員でも競争倍率はせいぜい数倍、ポスドクともなると競合者がいない事もあります。
ただし、組織によっては職員になるために「その組織内でポスドクなどで十分な業績を挙げていること」というようなテニュアトラックのような制度になっていることもあり、注意が必要です。明文化されていなくても慣習的に機関のポスドク→職員という流れが一般的なこともあるので、デキの場合もあるようです(想像ですが)。
最後に待遇ですが、大学に比べて高い傾向にあります。定年制は公務員に準じているようですが、任期付きの場合はポストによっては驚きの高年収になることもあります(あくまで任期付き一般水準で)。また、ポスドクでも正規職員並みの福利厚生が付くことが多く、生活の面では多少余裕があるかもしれませんね。