2014年08月26日

アカデミア、春夏秋冬。

アカデミックの歩き方(11)〜助教のその先へ

ネクスト・トゥ・助教どーも、空いつかです。
そろそろ雨が降った夜は秋の気配。暑い暑いと言っていた夏ももう終わりでしょうか。去る夏は少しだけ名残惜しかったりして。

ということで、久しぶりの歩き方です。特別編など挟みましたが今回は第11回です。
基本的に若手ポストということで、助教を取り上げましたが、今回はその先、助教からのステップアップです。助教には、原則として任期が付いており、よくあるのが任期が5年で1回再任可というもの(つまり任期が最高10年)で、ポスドクに比べれば遥かに長い期間となりますが、いつかは任期切れがやって来るため、実績を積み次に移らなければなりません。その点ではポスドクと何ら変わることはありません。助教から次に移るとなると、王道は当然、准教授。なじみが薄いかも知れませんが准教授にも任期が付いており、任期が5年で2回再任可ということが多いようで、任期が最大15年になります。もちろん、任期がない(定年制の)准教授ポストも存在します(少ないようですが)。

大学の場合でソライツが「厳しいなぁ」と感じるのはここです。狭き門をくぐり抜け助教になったとしても息つく間もなく准教授ポストの獲得を目指さなければなりません。准教授になるのは大体35歳あたりからとされていますから、27歳で学位を取得して、ポスドクを1回経験して30歳で助教になり、大体最初の任期(5年)が切れる頃に准教授になるのがストレートなキャリアパスとなると思いますが、そんなストレートに行く人がどのぐらいいるのやら。もちろん助教で10年は任期があるわけですから、ストレートに行かなくてもいいのですが、ずっと助教のままだと周りからは「なんだかなぁ」という評価を受けてしまうという…(しかも任期が切れると職を失いますからね)

当然のことながら准教授になるためにも激しい競争があるわけで、その競争をくぐり抜けてもまた任期付き…本当に厳しい世界だと思います。確かに競争は大事だと思いますが、最近の厳しさは、もはや青天井、容赦なしです。旧帝大で助教に就いているような優秀な研究者と話していても、「次は任期がないポストがいい」という声は実際に聞きますし、独法にいる(大学指向の)研究者からも「大学教員って、目指すべき職なのか。最近の大学現場を見てるとわからなくなる」という話もします。大学で落ち着いて研究をするというのは過去の話なのでしょうか。もちろん研究者ですから、同じ場所でずっと…ということはほぼあり得ませんが、やはり(10年以上とはいえ)任期が付いている、というのは落ち着かないものなのでしょう。

真に優秀な研究者はそれでもくぐり抜けるのだと思いますが、真に優秀な研究者だけでは世界は動きませんよね…。助教→准教授の境目に当たる年齢になり、考えてしまいます(何度も書いてますが、ソライツの職は大学とは全く関係ありません)。

そんなわけで任期付きはいつまでもセツジツなのでした。
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posted by 空いつか at 23:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | アカデミア、春夏秋冬。
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