2013年06月30日

任期付き、続けてます。

研究は競争なのだ(2)〜外部資金の規模

研究は競争なのだ(2)〜外部資金の規模どーも、空いつかです。
気がつけば今日は6月30日、夏越の祓えということで1年も半分終わりました…ソライツのこの半年はいろいろあったので、年が明けてからあっという間だったような、すごく長かったような不思議な期間でした。皆さんはどんな半年を過ごしましたか?

さて、今回は外部資金の規模、このシリーズの対象となる規模についてです。
第一回目で外部資金の規模は大きい物から小さい物まで様々あるという事を書きましたが、それに併せて交付対象となる範囲も変わってきます。最小単位は個人になりますし、数人のグループ、もっと大きくなると組織単位、さらに大きくなると複数組織で遂行するプロジェクトになります。

ソライツは特に優秀でもない一介の研究職なので(涙)、身近な外部資金は当然個人単位のものです。たまに同僚がグループ単位の規模に応募してたりするのを聞くぐらいなので、このシリーズで取り上げる外部資金は個人単位で交付されるものを対象とします。

規模の大きい予算になるとその予算でポスドクなどを雇うこともできますが、個人単位の規模(最も身近なのは科研費の若手研究ぐらい)だと、実験に使う消耗品や学会などの参加費に使う水準です(2-4年で総額数十〜1,2千万円ぐらい)。このシリーズで特に断りなく外部資金、と書いた場合はこの規模の外部資金の話だとして捉えて下さい。

いずれはもう少し大きな外部資金の話もまとめていきたいと思うのですが、いかんせんソライツがそんな規模の予算を「取りに行く側」に関係したことがないので、そちらの話をうまくまとめられるかどうか…まあ、その予算に「振り回された側」という経験はあるんですが…(^^;

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posted by 空いつか at 23:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 任期付き、続けてます。

2013年06月25日

任期付き、続けてます。

任期でウチドメ!長期研究

任期でウチドメ!長期の研究テーマどーも、空いつかです。
外部資金編を続けると書きましたが、ちょっと気になる記事がありましたので、今回はそれについて。

ということで、今回は長期研究ができない任期付き現場、について考えたいと思います。
6/25付けの日経新聞(Web)の記事で「質・量とも技術力低下」という記事が配信されました。内容はタイトル通りですが、その記事の最後の方に低下の要因として「日本の研究者1人あたりの研究支援者数が少ないことや、5年以上の長期研究の減少なども問題視した」ということが少しだけ書かれています。

現在の研究制度では、1.任期付き研究職の上限がおおむね5年であること2.大型予算などによるプロジェクト研究の期間が5年程度の事が多い、ということから5年以上の長期研究が減少しているのはそれらが影響していると考えられます。

プロジェクト研究は期間を決めて集中的に投資するという方策なので仕方ないのですが、任期切れのためにテーマが継続できないという場合、それまでの経費や労力が無駄になってしまいます。テーマを引き継ぐ人がいるか、次職でも続けられればいいのですが、なかなかそれも難しく、ソライツがいた職場でも頻繁にありましたし、ソライツが抜けたことで止まってしまったテーマもありました。

必ずしも長期研究が優れた研究に結びつくわけではありませんが、やはり息の長いテーマも必要ではないかなぁと思います。任期付き制度は人件費の抑制に効果があった(?)かもしれませんが、このような非効率な点も多くあることにも目を向ける必要があると思います。なお、今春からの改正労働契約法によりこの傾向がより強まっていくのでしょうね。

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posted by 空いつか at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 任期付き、続けてます。

2013年06月20日

任期付き、続けてます。

研究は競争なのだ(1)〜研究資金を勝ち取れ!

研究は競争なのだ(1)〜研究資金を勝ち取れ!どーも、空いつかです。
すっかり梅雨日和。台風まで来ているようで、もうすぐ夏…なのかな?

さて、今回からしばらく「競争的資金」について取り上げてみようと思います。
会社組織で研究している方にはひょっとしたらあまりなじみがないかも知れません。アカデミック研究者が対象であることが多く、あるテーマに関連する研究計画を提案し、優れた計画が研究資金を獲得する、という競争的な制度です。また所属機関外から取得することから外部資金と呼ばれたりもします(所属内の競争的資金もある)。

「研究の資金なんて組織の予算から出るんじゃないの?」という疑問もあると思いますが、研究予算はどこもカツカツ。組織によっては外部資金を取ってこなければ実験に必要となる物品の購入費や学会参加の出張費もなかなか工面できない、というのが現状みたいです。

後の機会に取り上げますが、科学研究費助成事業、いわゆる科研費と呼ばれる、研究者にとってもっともなじみのあるものから、一般企業が公募しているようなピンポイントな物まで様々あり、使える金額も数十万円の規模から数億〜数十億円の単位までそれこそ多種多様です。

最近は国の方針としても研究の質を上げるという名目で競争的資金の割合が増えており、審査者を納得させることができるような研究が求められています。一般の方にはなじみの薄い(と思う)、そんな制度についてしばらく綴ってみたいと思います。

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posted by 空いつか at 23:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 任期付き、続けてます。

2013年06月15日

任期付き、続けてます。

身を売る時は分岐点

身を売る時は分岐点どーも、空いつかです。
関西地方では連日の猛暑、関東地方では梅雨らしい(?)ジメジメな日ということで、そろそろ夏が近づいてきましたね。

さて、今回は身売りの話です。
任期付きという身分は、ある意味「潰しが利く」ポジションです。極端な話、数年以内に次に移らなければならないのならいつ移ってもいい、というワケです。まあソライツもそれに近い感情で仕事をしていました。

周りの人もそういう認識であるため、ポストの内容にもよりますが、任期付きの人間に「こんな職があるんだけど、興味ある?」といった感じで話を振ることがよくあるようです。まあ、経験上、王道(メジャーな研究室出身で、分野の中でもアツい研究をしている場合)ならやはりそれに見合ったポスト、それ以外ならそれなり…なポストの話がまわるようです。

まあ、業界内でそれなりに偉い人(人選に影響力のある人)に見込まれるということなので職業人としてはうれしいのですが、時期や異動先をこちらが選ぶわけではないので、内容によっては悩みどころです。例えば…1)今の場所でそれなりに結果が出そうで、ひょっとしたら任期付きを脱出できそう、2)片や異動先も任期付きだけど自分がまさにやりたかったテーマができて、定年制になれる可能性が少しは高い、でも待遇が下がる…という状況の場合どうでしょうか?

全く違う場所に異動するということは、少々大げさですが人生が変わってしまうほどのインパクトがあります(だから楽しいのですが)。悩めると言うことはありがたいことですが、変な話、選択の余地なしのほうがあきらめも付くのかなと考えることもあります。しかし、動くか残るかの最終的な決定権は自分にあるので、どんな結果だとしても「自分の選択だから」と納得できる決定をしたいものです。

そういうときに備えて、一期一会の精神で仕事に臨みたいものですね!

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posted by 空いつか at 23:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 任期付き、続けてます。

2013年06月09日

任期付き、続けてます。

終わりはいつもこんな風に

ゆく河の流れは絶えずして…どーも、空いつかです。
すっかり更新の間隔が空いてしまいました…。別に仕事が忙しかったとかそういうわけではなく、単に「ゲームにはまってしまっていた」という理由で更新できませんでした(^^;。いわゆるノベルゲームと言われる類いのもので、ついつい面白くて読み進めてしまってました。

さて、今回は予告通りお気楽バンド活動編最終回。任期付きの宿命、です。
前回までのようにそれなりに楽しく、活動をしていたのですが、任期付きの宿命、そう遠くない時期に消滅の時期がやってきます。

実際は、諸々の事情で練習回数は減っていたのですが、それでも細々と楽しんでいました。しかし、その時期はやはりやってくるのですね。一人は念願(?)の大学教員として、遙か遠くに。もう一人は元々大学から研究生として来ていたので、元の研究室に戻ることに(それなりに遠い)。もう一人はこれまた遠くの大学にポスドクとして。

異動の時期はバラバラだったので、最後は二人で細々と遊んでいたのですが、最終的には全員バラバラで見事に自然消滅(涙)。真剣に練習していたのは1年程度だったと思いますがそれでも楽しい時期でした。任期付きであるが故、そう遠くない未来に別れが来るのはわかりきっていたのですが、だからこそそれなりに真剣に取り組めた部分もあるのかなと。

ソライツも複数の場所を渡り、その場その場で楽しかった活動をしてきました。それをもっと長く続けたかったというのは当然ですが、異動があるために新しいことにも挑戦できたのかなと思ったり。

任期付きとは無常観が自然に身につく生き方なのかもしれませんね。

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posted by 空いつか at 22:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 任期付き、続けてます。